Danielle Gonzales

Danielle Gonzalesのインタビュー

Danielle Gonzalesは2021年10月にアイプロスペクト初の北米CEOに就任しました。これは、グローバルな統合メディアエージェンシーとして刷新したばかりの同社にとって、変革の瞬間でした。 

 

Danielleは、前職Publicis Media North Americaの社長兼最高顧客責任者に就任後ほどなくして、Publicis Groupeからアイプロスペクトに参画しました。それ以前は、Starcomで社長兼最高顧客責任者を務め、Publicis Groupeのメディア、コミュニケーション、データ、テクノロジーの各チームで、Kraft Heinz、McDonald’s、Beam Suntoryの北米およびグローバルの顧客パートナーシップを牽引していました。25年以上の業界経験を持つ同氏は、クライアントのマーケティングとコミュニケーションのつながりを、サイロ化されたものから完全なカスタマーエクスペリエンスへと転換するべく取り組んで参りました。Starcomで指導的地位に立つ前は、業界最大手のマルチカルチャー・メディアエージェンシーであるTapestryを10年以上統率し、5年連続で事業を2桁成長させることに成功しています。

 

この新たな職務について、更に詳しく話を伺うべく、LBBのAddison Capperがインタビューを行いました。

 

 

LBB> ご就任おめでとうございます。今回の参画にあたり、アイプロスペクトのどこに惹かれたのですか?

 

Danielle> アイプロスペクトには2つの魅力を感じていました。1つ目は、とても優しく、温かく、勤勉なdentsuの社員たちです。思いやりのあるオーラを放っていて、私は何年も前からdentsuを「ホーム」とする人々にずっと惹かれていました。2つ目は、アイプロスペクトが提供する最先端の「ブランド+パフォーマンス」です。アイプロスペクトは、パフォーマンス・マインドセットでブランドを構築し、十分なアカウンタビリティを担保しています。

 

現代のマーケターは、成長を加速させる必要があり、それを解決する当社のチーム、ツール、テクノロジー、アプローチは素晴らしいものです。

 

LBB> 北米CEOは貴社では新設の役職になりますが、これまでにない役割を果たすことで、どのようなチャンスやチャレンジがあるのでしょうか?

 

Danielle> 私は新生アイプロスペクトにおける初代北米CEOを務めるという大きな幸運を手にしました。この新しい役割では、地理的な制約にとらわれない次世代の組織、活気ある学習力を備えた組織、そして大きな夢を抱くチームを作り、定めていくことが出来ます。この役割には既定の形がないため、自分のやり方で自由にリードすることができ、とても解放感があります。

 

LBB> アイプロスペクトにとっては、いささか変革期でもありますが、そのあたりをもう少し詳しく教えていただけますか?また、北米CEOとしての計画にどのような影響があるのでしょうか?

 

Danielle> アイプロスペクトはマーケティング変革の最前線で、進化し続けています。私のチームをみれば誰もじっとなどしていない、つまり、皆動き、学び、成長し続けているのだとわかります。私の仕事は、チームメイトを置き去りにせず、急速な変革の中でバランスを見つけることです。私は、常に耳を傾け、コミュニケーションを取りながらどのレベルともつながりを保つよう心がけています。そうすれば、この速いスピードで進み続けられるのか、それとも一息つくための小休止が必要なのかどうかの判断が出来るのです。

 

LBB> この業界に入った最初のきっかけについて教えてください。計画的なものだったのか、それとも幸運な偶然だったのでしょうか?

 

Danielle> 私は生活費を稼ぐために幼いころから働いていましたが、働くことが好きなのだと気づきました。夫は私のことを「宝くじが当選したとしても働くだろう」と冗談を言いますが、本当にそうかもしれません。職場で仲間を見つけ、新しいものを作り、記録を塗り替えていくことに大きなやりがいを感じているからです。

 

大学で、私の中で最も素晴らしいと思うエージェンシー、Leo Burnettのインターンシップの広告を見つけて応募をしました。一度は断られたものの、再度応募したところ、運命のいたずらによってメディア部門で夏期インターンをすることになったのです。私にとっての広告業は、1人の男性と彼が築いたエージェンシーへの愛から始まったのです。

 

LBB> 現在、米国のメディアビジネスに影響を与えている大きなトレンドは何でしょうか?

 

Danielle> 今後も継続していくでしょうからトレンドとは言い難いですが、最も大きな変化の1つはコマースの進化です。多くのブランドは、カスタマーエクスペリエンスや同意を得たデータを管理するために、DTCオプションを提供しています。さらにブランドは、商品への関心、エンゲージメントから、小売店での購買へと消費者が流動的に移行していることを認識しています。その結果、コマースの全体的な動きと、この分野で必要とされるものは根本的に変わり、今後も進化し続けるでしょう。

 

LBB> デジタルメディア業界ではさまざまな変化(サードパーティcookiesの廃止など)があり、プラットフォーム規制の圧力や広告詐欺など多くの問題があります。このような状況下で、クライアントからどのような相談や質問が寄せられ、どのように対処していますか?

 

Danielle> 当社のクライアントは、デジタル空間においてかなり精通しており、ほとんどの場合、昨今のデジタル環境に対する戦略立案に長けています。そのため、効果的な戦術を担保するよう、cookieプールやリターゲティングの代替案についての質問はありますが、IDベースのマーケティングやコンテクスチュアルプレイに関心を寄せています。現在は、環境の変化によりMTAが不安定になったため、私たちは計測についての議論により多くの時間を費やしていいます。今後の見通しが予測しづらいなか、どのようなソリューションを提供すれば、確実かつタイムリーに計測を行うことが出来るのでしょうか。幸いにも、私のチームには世界最高峰の測定学者が在籍しており、それぞれのクライアントのためにカスタムプランを作成しています。

 

LBB> 就任のプレスリリースでは、「マーケティングの次の進化は、カスタマージャーニーのあらゆる局面でパフォーマンスを向上させることです」と述べています。その点について、また、そのなかでアイプロスペクトがどのような役割を果たせるのか、詳しく教えてください。

 

Danielle> アイプロスペクトは、パフォーマンス・マインドセットをすべての業務に適用することで、成長を加速させ、ブランドを構築しています。私たちのブランドの中には、関係性の向上を使命としているところや、即時に売上を必要とするところ、また、顧客の長期的なケアに頭を悩ませているブランドもあります。私たちのチームは、どのような仕事であっても、責任ある、結果に基づいたマインドセットでプランニングやアクティベーションに取り組みます。目標は、ブランド(エクイティ、ヘルス)、エンゲージメント(滞在時間、行動)、売り上げのいずれかのレベルで設定します。そして、これらの目標に対するパフォーマンスを厳密に追跡し、コンシューマージャーニー全体にわたって一貫した改善を実現します。

 

LBB> 今回が初めてのCEO就任だと存じますが、あなたはこれまでにも指導的な立場で仕事をされてきました。リーダーシップについて最も大きな教訓を得た経験や瞬間はどのようなものですか。

 

Danielle> リーダーシップに関する最大の教訓は、米国最大のマルチカルチャー・メディアユニットであるTapestryを率いていたときに得たものです。私たちのチームは、多くのクライアントや一般市場のチームにとって、脇役であり後回しにされる存在でした。しかし、マルチカルチャー・マーケティングが台頭してきたため、私たちのチームは、多文化の消費者を教育、実行するプランを立て、広告費のデータポイントに対する限定的なリターンで予算を獲得する必要がありました。私は、チームメンバーそれぞれの強みを活かす方法、ブランドチームの相性のバランスを取る方法、一般的には知られていないスキルを持つチームのモチベーションを高める方法などを学びました。とても大変な仕事でしたが、今までで一番楽しい仕事でした。私のチームは、新しいムーブメント革新の一部であり、家族の一員であるかのように感じていました。

 

LBB> リーダーシップとオープン性という点では、あなたはどのようなアプローチをとりますか?信頼を得るために、できる限り透明性をもつことが重要だと思いますか?それとも、慎重で配慮することに価値があるのでしょうか。また、新しい職場でスタートする際には、どのように対処する必要があるのでしょうか。

 

Danielle> 私は、最前線からリードし、業務に関与し、チームメイトそれぞれの貢献を理解することが大切だと考えています。分野やレベルを超えてチームメイトと関わり、耳を傾け、議論することを楽しんでいます。自分のチームは優秀であり、正しい行いをすると信じているので、どんな話題でも透明性を持って話ができます。私はチームメンバー一人ひとりを信頼しているので、自分らしく、とてもオープンでいられます。

 

LBB> 仕事以外の時間は何をされていますか?何か変わったことや趣味があれば教えてください。

 

Danielle> 私の一番の趣味は、5人の子どもと夫の家族みんなで一緒に過ごすことです。一緒にいると楽しいことが沢山ありますし、みんな母親である私との時間を求めています。私は働く親であることが好きで、よく2つの役割を混在させてしまう場合もありますが、バランスを取り、自分にとって大切なことに優先順位をつけています。滅多に時間がとれませんが、私の好きなことのひとつに、洋服作りがあります。幼いころに裁縫を習い、自分の手で何かを作ることを楽しんでいます。

 

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